開発履歴
2007年~2008年:銅線式デジタルXBT
水温と水圧を同時計測するデジタル通信方式のXBTプローブで、水温と水圧を同時計測する。ホタテ貝殻などの生分解性素材を用いており、測定後に海中で速やかに分解される。
備考
本デジタルXBTは、RASブイ開発で獲得した弾性ゲルによる電子基板の防水技術と、水圧センサの技術を拡大発展させたもので、平成18年に特許を取得した。
本デジタルXBTは、ケーブル繰り出し構造に問題があったため、測定可能水深は200m程度に留まり、プローブ降下速度も遅かったため、ケーブル送出機構の再検討が課題となった。
2010年:銅線式デジタルXBT 量産評価版
2008年に開発した銅線式XBTのプローブ形状最適化と機能強化を行い、商用化を目指したもの。特にプローブの海中降下速度向上に注力し、流体シミュレーションに筐体形状の最適設計を行った。
備考
銅線式デジタルXBTの最終形。水温と水圧のセンサ素子を標準搭載し、これらをヘッダ情報として0.1秒ごとにデータパケットを送信するスタイルは、本開発で確立された。銅線を通信線とするXBTプローブとしては、最も高機能だったが、通信距離の制約と、東日本大震災以後の需要変化により、以後は光通信化にシフトしていった。
2011年:光通信式デジタルXBT
東日本大震災以後の三陸沖海洋調査に対応するため、20kt航行の船舶から投下可能で、水深1,000mまでXBT計測を可能にするXBTシステムを開発した。
通信線に高屈曲型光ファイバを採用し、通信線を高速で深海まで送り出す機構を開発、短時間に深海と水面をリンクする超高速データ通信システムを実現した。
備考
微細絹糸の巻き取り技術を参考に、光ファイバ素線のボビン巻き取り技術を確立した。また、オリジナルの絶対圧型半導体圧力センサの開発にも着手し、高精度の水深計測を実現させた。